8.30.2014

ぼくの好きな組織論

ぼくの好きな組織論にピーター・ドラッカーさんの「人の強みを生かし、弱みを意味のないものにすることこそ、組織の正当性の唯一の根拠」という考えがあります。ぼくはこの考え方がとても好きです。

独立するまでに今まで会社を3社経験してきましたが、組織にとってこの考え方はとても重要だと思います。
会社にいるとどうしても「あの人のここがおかしい、ここを直した方がいい、あの人はダメ」というのような声が毎日のように聞こえてくるものです。
でも、人のダメ出しをすることに何の意味があるのでしょうか。ぼくは、いつも疑問に感じていました。
そんな中、このドラッカーさんの考えに出会いました。「一人が持つ弱みを意味のないものにし、その人の強みを最大限に活かすことこそ、組織である理由」。弱いところはみんなで補完し、強みは強みとしてさらに伸ばしていけばいい。

社会も同じだと思います。誰かの弱いところを攻撃したり、ののしったりすることは無意味だと思います。人には必ず、良くないところもあれば、良いところもあると思います。良くないところはみんなで補い、良いところはみんなの力でどんどん伸ばす。そのことが重要だと思います。
極端な話、社会にとって、一個人のダメなところを見つけ出し、そのことをいくらののしったところで意味のないことだと思います。人の良いところを見つけ、それを評価し、応援することこそ、大いに意味のあることだと思います。

最近、ぼくが母からもらったものについて気づいたことがありました。それは「できると信じる力」です。今思えば、ぼくは、そんなに器用でもなければ、そんなに絵もうまくはありませんでしたが、図工や絵を褒められたことによって、「自分はこれができるのではないか」と信じることができました。そう思えたことは、自分にとってとても重要なことでした。

スターバックスの会長のハワード・シュルツさんも、ケンタッキーフライドチキンのカーネル・サンダースさんも、小さい頃、母親に「おまえならできる」と常日頃言い聞かされていたと本に書いていました。本人がそれを信じ、曇りのない考えで、努力を惜しまなければ、よりよい成果にたどり着くことができるのだと思います。

そしてGoogleの創業者やSoftbankの孫さんのように、これからの世界はますます素晴らしく、未来にはたくさんの希望があると信じ、その実現に向けて努力を惜しまない人がこれからの未来を創っていくと思っています。

未来に悲観的になってしまうような情報は世の中に暴力的に溢れています。でもそのような情報が未来を創っていくことはなく、何もよい結果にはならないと思います。ドラッカーさんの言う「一人の持つの弱みを意味のないものにし、その人の強みを最大限に活かすことこそ、組織である理由」というように、社会のダメなことに目を向けているだけでは意味はなく、社会のよりよいところをみんなで活かしていくことによって、新たな未来が創られるのだと思います。

ぼくは、これからの世界は、核兵器のない世界、原発のない世界になり、持続可能なエネルギーで電力をまかなうことができ、貧困や戦争はなくなり、すべての問題は、対話によって解決する社会がくることを心底信じたいと思います。そして、少しでもその社会に一歩でも近づけるように自分なりに努力していきたいと思っています。

8.15.2014

流通のための商品の作り方

市場に流通させることができるような商品をどのように作ったらよいでしょうか。
魅力的な商品を作ることはもちろんですが、ここでは、流通のための具体的な商品の作り方について書きたいと思います。

おさえておきたいポイントは3つあると思います。
管理しやすく、流通しやすく、安全に作るのがポイントだと思います。

まず、1つめの管理しやすくですが、そこで大切になってくるのが、JANコード、商品コード、商品名と色や種類の表示です。

JANコードというのは、よく商品の裏にあるバーコードの数字のことです。JANコードは全国の商工会議所で申請すると取得することができます。10,800円で取得できます。
詳しくは→JANコードQ&A

ただ、JANコードを取得してもそれをバーコードにするには、専用のソフトや専門の会社にお願いする必要があります。そのほかに無料サービスで作成できるサイトもあります。
無料バーコード作成ツール

商品コードは、商品を簡単に管理できるように付けるものです。数字または、ローマ字で6桁程度で付けます。この付け方は自由です。例えば、弊社商品のひげ付箋(ブルー)の商品コードは、SUGAI WORLDのHigefusenのBlueなので、SW-HF-BLという具合です。

後は、商品名と色や種類を商品に明記すれば、管理しやすさの点ではおおよそ問題ありません。

次に2つめの流通しやすくですが、商品がバラバラにならないように紙テープなどを使い、5個や10個にまとめて出荷する必要があります。「帯掛機」というもので商品を束ねる方法もあります。それをさらに50個や100個入る内箱に入れ、さらに200個から300個入る外箱(ダンボール箱)に入れます。外箱(ダンボール箱)には、内箱が何個入っていて、合計何個入りかと商品名を明記します。

それと、大切なのが卸し価格です。商品を問屋さんや小売店さんを介して販売してもらうには、問屋さんや小売店さんに対して卸価格で販売する必要があります。なのでその卸価格でも利益が出るように原価を抑えることが大切なポイントです。

最後に一番大切な3つめの安全にですが、商品に対しての安全性や品質の責任です。日本には、製造物責任法(通称:PL法)や家庭用品品質表示法、リサイクル表示法というものがあります。

製造物責任法(通称:PL法)というのは、「製造者は、製造したもので万が一消費者に危害を加えることがあったら、その責任をしっかり保証してください」という法律です。そのためにメーカーが加入するPL保険というものがあります。お子さんが使う文房具や玩具には、「PL保険に加入済み」と明記されているものもあります。メーカー側が「PL保険に入ってますよ」というもので、商品に明記することは義務付けされていませんが、このPL保険は、ぼほすべてのメーカーが加入していると思います。日本玩具協会が認定する玩具安全(ST)というものもあります。STマークを取得していない玩具は取扱いしない小売店もあります。
詳しくは→製造物責任法(通称:PL法) 玩具安全(ST)

ちなみに製造物責任法(通称:PL法)に関しては、日本よりも欧米の方が責任がとても重く、賠償金が日本の何十倍ということもあるようです。ですので、海外PL保険というものもあります。商品を輸出しているのであれば、できれば、海外PL保険にも加入しておきたいところです。

家庭用品品質表示法は、よく衣類などに付いている取扱いの注意を喚起するものです。繊維製品、合成樹脂加工品、電気機械器具、雑貨工業品に対して「材質表示」「取扱い上の注意」を明記することが義務づけされています。詳しくは→家庭用品品質表示法

その他にリサイクル表示法でパッケージ対してリサイクルマークを表示することが義務づけられています。商品をオシャレにしようと思ってリサイクルマークを付けないのは、ルール違反なのです。詳しくは→リサイクル表示法

このように商品を作る上で気を付けなければいけない点が多々あります。
現代は、誰もが商品を作り、直接商品を消費者に売ることができるよい時代になりました。
そのかわり、商品を作る上で気を付けなければいけないことを知らない人が増え、トラブルになる可能性が増えていると思います。
手作り品でも商品は商品です。皆さんが自主的に法律などを勉強した上で、責任ある商品販売をどんどんして頂きたいと思っています。

8.10.2014

資金計画について

企業の資金計画については、よく「キャッシュフローの重要性」「キャッシュフローの改善」「キャッシュフローの〇〇」など“キャッシュフロー”という言葉がたくさん出てくるのですが、“キャッシュフロー”とは、そのまま「現金の流れ」のことだそうです。

なんで“キャッシュフロー”というんでしょうね。カタカナだとちょっとカッコイイ雰囲気が出るからだと思いますが。日本人は、欧米至上主義のところが大いにあって、欧米が“キャッシュフロー”というからそれをそのまま真似をして“キャッシュフロー”という言葉を使っているような気がします。
それはさておき、ぼくは日本人なので、“キャッシュフロー”ではなく“資金計画”と言いたいと思います。

企業にとって資金計画は生命線です。どなたかが「企業にとって“利益”は“ガソリン”のようなもの」とおっしゃっていましたが、その通りだと思います。なくては走れません。

売上げがあるのに運転資金が手元になくなれば、黒字でも倒産、黒字倒産になります。現金を在庫に替え、手元在庫を持つメーカーにはよくある話です。現金を在庫に変えてしまうので、運転資金がなくなり、黒字倒産するのです。なので、手元在庫を極力抑えることはとても重要です。

ぼくは、資金の運用方法を自分なりに決めていることがあります。

一つ、新商品に投資するお金は、50万円前後に抑える。
一つ、新商品は自己資金で投資する。
一つ、在庫は1商品に付き各500個以上は持たない。
一つ、広告費は、年間売上げの10%に留める。(広告費に展示会費も含める)
一つ、家賃は、一日の売上げ額程度に留める。(在庫を置く場所代も家賃に含まれるので、商品の大きさはとても重要です。商品は1cm以下の厚みでA4に収まるサイズにすると決めています。)

計画のない無駄遣いはしない、無駄な量は作らない、当たり前のことですが、自分の中で取り決めを作っておけば、判断が早くなります。

他には、
大きな受注を頂いたときは、半金前払いにしてもらう。
仕入れ先への支払いは、月末締めの翌月末払い、または翌翌10日末払い(40日サイト)、または分割にしてもらう。
業務や生産のコスト削減の努力を常に行う。
などです。

パナソニックの創業者松下幸之助さんは「ダムの経営」を勧められていました。「ダムの経営」とは言葉の通りで、ダムのように資金を貯めておき、必要なときに必要なだけチョロチョロと資金を使うことだそうです。
バブル時代は、不動産や株など色々な投資先の誘惑が増え、お金のある人は、現金を色々なものに投資したそうです。そうしたことにより資産は増えたのですが、手元に現金がなくなり、バブル崩壊とともに現金を回収することができなくなり、倒産してしまった会社が多かったそうです。

学生時代に旅行や外出の際、母に「使わなくても予備の現金はしっかり手元に持っておくこと」を勧められました。あながち間違いではないようです。それで、旅行や外出の際に助かったことが多々ありました。

経営の資金計画も旅路も一番重要なのは、「手元にいつでも使える現金をしっかり持っておくこと」のようです。